ミモレット

ミモレット(Mimolette)は、フランス北部のノール=パ・ド・カレー地域圏、リール周辺で生まれた牛乳製のセミハード〜ハードチーズです。
鮮やかなオレンジ色の内部と、チーズダニが刻んだクレーター状の穴が無数に空いた灰褐色の外皮という、ひと目で他と見分けがつく強烈な個性を持っています。重さは約2kgの球形(ボール型)が標準サイズです。
誕生のきっかけは17世紀、ルイ14世の時代に遡ります。当時フランスで人気だったオランダ産エダムチーズを、財務総監コルベールの重商主義政策によって高関税で締め出すことになり、その代替品としてフランス国内で作られたのがミモレットの始まりです。エダムチーズの製法をベースにしながら、内部にオレンジ色の着色を施すことでフランス独自のチーズとして生まれ変わりました。当初は「ブール・ド・リール(リールのボール)」や「ヴュー・オランド(古いオランダ)」とも呼ばれていました。
「ミモレット」という名前はフランス語で「柔らかい」を意味する「mollet」に由来し、熟成前の柔らかい状態を表した言葉がそのままチーズ名として定着しました。
オレンジ色はアナトー(アチオテの木の種子から採れる天然色素)によるもので、外皮の無数の小さな穴はチーズダニ(Acarus siro)が表面を食べることでできたものです。このダニによる独特の通気と熟成作用がミモレット特有の風味を作り出しており、口にしても人体には無害です。ただし外皮の部分は風味が良くないため、取り除いて食べるのが一般的です。
なお、2005年8月には日本でも一躍有名になった出来事がありました。当時の首相・小泉純一郎氏が森喜朗前首相に官邸で振る舞ったチーズを、森氏が「硬くてかみ切れない干からびたチーズ」と発言したことでワイドショーやニュースが大きく取り上げ、その「干からびたチーズ」の正体がミモレットと判明。これをきっかけに一時的にスーパーや専門店からミモレットが売り切れる現象が起きたことで知られています。
熟成期間による4つのタイプの違い
ミモレットは熟成期間によって味わい・食感・硬さが大きく変化し、フランスでは以下の4段階に分類されています。購入の際にどの熟成タイプかを確認するのがおすすめです。
ジュヌ(Jeune/若熟成:2〜3ヶ月)
生地は柔らかく弾力があり、やさしい甘みとクリーミーな口当たり。クセが少なくチーズ初心者にも食べやすいタイプです。
ドゥミ・ヴィエイユ(Demi-Vieille/半熟成:6〜9ヶ月)
生地が引き締まり、甘みにナッツのような風味が加わります。香りも少し強くなり、コクが増してきます。
ヴィエイユ(Vieille/熟成:12〜18ヶ月)
生地はかなり硬くなり、甘みよりもナッツ・塩気・土のような旨みが前面に出ます。外皮のクレーター模様も一層深くなります。
エクストラ・ヴィエイユ(Extra-Vieille/超長期熟成:2年以上)
最も人気が高く、もろくなった生地はヘーゼルナッツとスパイスを思わせる複雑な風味の頂点に達します。日本酒との相性が良いとされることでも知られ、カラスミにたとえられることもあります。切るというよりも「割る」感覚に近い硬さです。
ミモレットの写真
フランスからの輸入チーズ、福井西武で購入しました。
2014年7月当時100gあたり1,080円で内容量107g1,069円(税込1,155円)でした。
「レビノスモーク」も一緒に購入しました。
フランスの輸入品のミモレット6カ月熟成のものです。
2014年当時200gで1,190円(1,286円)でした。
味と食べ方(ペアリング)
若いジュヌはサラダのトッピングや薄切りにしてサンドイッチに挟む食べ方が定番で、キューブ状に切ってそのまま食べても楽しめます。
熟成が進んだヴィエイユ・エクストラ・ヴィエイユはそのまま少量をかじってじっくり味わうか、削りかけてパスタやサラダのアクセントとして使うのもおすすめです。
チーズ単体で楽しむなら、ドライフルーツ(イチジク・クランベリー)やクルミ・ヘーゼルナッツとの組み合わせがよく合います。バゲットやクラッカーとともにシンプルに食べるのが最もミモレットの風味を直接楽しめる方法です。
ワインとの相性は熟成度によって変わります。ジュヌには白ワインや軽めのビール(ピルスナー)、ドゥミ・ヴィエイユには赤ワインやフルーツビール、ヴィエイユ以上にはボルドーなどのしっかりしたフルボディ赤ワインがよく合います。
超長期熟成のエクストラ・ヴィエイユは、濃厚な旨みが日本酒(特に純米大吟醸や古酒)とも好相性で、日本人の味覚にもフィットするペアリングとして知られています。
購入店
- 西武 福井店(2014年6月)
- 成城石井ペリエ海浜幕張店(2014年10月)


