カブラレス

カブラレス(Cabrales)は、スペイン北部アストゥリアス州東部、ピコス・デ・エウロパ山脈の麓に位置するカブラレス地方で生産される青カビチーズです。EUのDO(原産地呼称)認定を受けており、スペインを代表するブルーチーズのひとつとして知られています。
原料乳は基本的に無殺菌の牛乳ですが、季節によって羊乳・山羊乳、またはその両方が混合されます。春から夏にかけてはこの3種すべての乳を混合して作られ、これが年間を通じて最も美味とされるカブラレスです。逆に牛乳のみで作られるものは生地がやや黄みがかった色合いになります。
熟成はピコス・デ・エウロパ山脈の天然の洞窟で行われます。洞窟内は湿度90%・温度8〜12℃という環境で、ここで2〜4ヶ月かけてじっくりと熟成させます。カブラレス最大の特徴は、青カビをカードに人工的に注入しないという点です。洞窟内に自然に存在するカビが外側から内部へと自然に入り込み、独特の青カビが育ちます。
かつてはカエデの葉で包んで熟成・販売されていましたが、現在は衛生上の理由からその製法は少なくなっており、PDOの規定では緑のアルミホイルに包んで販売することが定められています。ホイルの底面には品質管理組合が発行する固有番号入りのシールが貼られます。
カブラレスの村では毎年8月の最終日曜日に公開品評会(カブラレス祭り)が開催されており、地域の誇りとして大切にされています。
ロックフォール・ゴルゴンゾーラとの違い
世界三大ブルーチーズとしてフランスのロックフォール・イタリアのゴルゴンゾーラ・イギリスのスティルトンが挙げられますが、カブラレスはこれらと同格かそれ以上に個性が強い青カビチーズです。
ロックフォールが羊乳のみ・ゴルゴンゾーラが牛乳のみで作られる単一乳種のチーズなのに対し、カブラレスは複数種の乳を混合することもある独自の製法が特徴です。また天然洞窟での完全自然熟成によってカビが自然に入り込む製法は、他のブルーチーズとは一線を画す野性的なアプローチです。
仕上がりはほとんど外皮がなく表から中までクリーム状でやわらかく、熟成が進むほど香りが強く青カビの色が濃くなり、風味がより複雑になります。スペイン同産の青カビチーズではレオンの「ケソ・バルデオン(Queso Valdeón)」も有名で、よく比較される存在です。
カブラレスの写真
チーズオンザテーブル JR名古屋高島屋店で2014年4月当時100gあたり960円で921円(995円)でした。
白カビチーズの「クラヴァンツィーナ」も購入しました。
味と食べ方(ペアリング)
強烈な風味と刺激的な青カビの香りが特徴で、塩気が強く旨みが凝縮されています。クリーミーでやわらかい生地の質感の中に、ピリッとした刺激と複雑な深みが広がります。青カビチーズの中でも個性が強い部類で、初めて食べる方には衝撃的な風味かもしれませんが、好きな方にはたまらない野性的な力強さがあります。
そのままパンに乗せて食べるのが基本ですが、アストゥリアスの名物料理として「子牛のヒレ肉のカブラレスソースかけ」が有名です。チーズを溶かしてクリームソースにすると塩味と旨みがマイルドになり、肉料理との相性が抜群です。フライドポテトにかけてもよく合い、パスタやリゾットのソースにも活用できます。
はちみつとの組み合わせはブルーチーズの定番ペアリングで、カブラレスの強い塩気と旨みに甘みが絶妙に調和します。くるみ・ドライいちじく・洋梨なども相性がよいです。
お酒は産地のアストゥリアス産シードラ(リンゴ発泡酒)との組み合わせが現地の定番で、シードラの酸みがチーズの塩気と旨みを引き立てます。甘口の酒精強化ワイン(シェリーやポルト)との相性も良く、力強いチーズに負けない甘みと香りが調和します。辛口赤ワインとも合わせられますが、チーズの個性が強いためあまり繊細なワインは選ばない方が向いています。
購入店
- チーズオンザテーブル JR名古屋高島屋店



