シュロップシャーブルー

シュロップシャー・ブルー(Shropshire Blue)は、イギリスで作られる牛の低温殺菌乳を使ったブルーチーズです。
現在の主な生産地はレスターシャー州とノッティンガムシャー州で、植物性レンネットを使用して作られます。熟成期間は最低でも10〜12週間で、さらに熟成を重ねることで風味がより豊かになります。脂肪分は約48%とリッチな仕上がりです。
名前に「シュロップシャー」とありますが、実際にシュロップシャー州とのつながりはなく、マーケティング上の理由で名づけられたという少し変わった経緯があります。
誕生は1970年代のスコットランド・インヴァネスのキャッスル・スチュアート酪農場で、ノッティンガムシャーでスティルトンの製造を学んだアンディ・ウィリアムソンが開発しました。当初は「インヴァネスシャー・ブルー」や「ブルー・スチュアート」と呼ばれていましたが、イングランドでの販売拡大を狙ってシュロップシャー・ブルーという名前で売り出されるようになりました。1980年に一度製造が途絶えましたが翌年再開し、1981年が現在のシュロップシャー・ブルーの実質的な誕生年とされています。
外観は茶褐色からオレンジがかった天然外皮を持つ円筒形で、内部はアナトー(天然の食用色素)により鮮やかなオレンジ色に染まり、そこに青カビが走る美しいマーブル模様が特徴です。チーズボードに並べるだけで視覚的なインパクトがあります。
スティルトンとの違い
シュロップシャー・ブルーはスティルトン(Stilton)の製法をほぼそのまま踏襲して作られており、製造プロセスや形状・質感はとてもよく似ています。スティルトンを知っている方なら「オレンジ色のスティルトン」と表現するのが最もわかりやすいかもしれません。
最大の視覚的違いは色です。スティルトンの内部が淡いクリーム色〜アイボリーなのに対し、シュロップシャー・ブルーはアナトー色素を加えることで鮮やかなオレンジ色になっています。アナトーはアナトーノキの種子から得られる天然色素で、チェダーチーズの着色にも広く使われているものです。
風味の面ではスティルトンと比較してよりクリーミーで甘みが強く、青カビの刺激はやや穏やかという評価が一般的です。スティルトンはイギリス国内でPDO(原産地名称保護)を受けた格式高いチーズですが、シュロップシャー・ブルーには現在そのような認定はなく、保護された名称でもありません。
ブルーチーズ入門として「スティルトンは少し癖が強くて苦手」と感じる方にも、シュロップシャー・ブルーは入りやすい選択肢です。
シュロップシャーブルーの写真
2014年5月当時100gあたり880円で、内容量159gで1,399円(税込1,511円)でした。
「カマンベールカルヴァドス(カルヴァドスブリー)」と一緒に購入しました。
味と食べ方(ペアリング)
生地はクリーミーでなめらかにとろけ、濃厚な乳のコクと甘みが口に広がります。青カビの塩気とほんのりした酸味がアクセントとなりますが、スティルトンほどの強烈な刺激はなく、ブルーチーズとしてはマイルドで食べやすい部類です。
熟成が進んだものほど風味に深みが増し、ピリッとした後味も強まります。
そのまま食べるならクラッカーやバゲットに乗せてシンプルに、あるいは蜂蜜を少したらして食べるのがおすすめです。蜂蜜の甘さとチーズの塩気とクリーミーさが見事に調和します。
ドライフルーツ(レーズン・クランベリー・無花果)やナッツ(クルミ・ピーカンナッツ)と合わせてチーズボードに並べると、見た目のオレンジ色が映えて特別感のあるひと皿になります。洋梨やリンゴなどのフレッシュフルーツとの相性も良いです。
料理への活用としては、サラダのドレッシング代わりに崩して散らしたり、温かいポテトやパスタにとろかしてソースとして使うのも定番です。クリームスープや焼いたビーツと合わせるのもイギリスではよく見られる食べ方です。
お酒とのペアリングは、甘口のポートワインやシェリー酒との組み合わせが最もよく知られており、チーズの塩気と甘口ワインの甘みが絶妙なコントラストをなします。シェリー香のあるスコッチ・ウイスキー(マッカランなど)も相性が良く、ブラウンエールなどのコクのあるビールとも合わせやすいです。
スコットランド生まれのチーズだけあって、ウイスキーとのペアリングは特にすすめられています。
購入店
- チーズ王国 富山大和店(2014年5月)



